人が苦しい時・・・

人が苦しいとき、ほとんどは「自分のこと」で苦しいのだ。

もし、他人の「痛み」や「苦しみ」に目を向けるならば、

自分中心に考え、苦しみに捕らわれていた「小さな自分」が見えてくる。

                

 人は、自分のためには、なかなか力が出ない。苦境にあるとき、そこから脱出しようにも、あまり良いアイデアも浮かんではこない。ところが、誰か、他人の「苦しみ」を助けようとするとき、人は自分でも思わぬ力を発揮する。素晴らしいアイデアが浮かんだりする。

 火事などで、自分が助けを待っているときには、手も足も動かない。けれども、自分の大切な人が、自分よりもたいへんな状況に苦しんでいるとき、重いコンクリートを持ち上げて助け出すこともできるという。我が子を救うために、何度も何度も燃えさかる火の中に飛び込んだ母ネコの姿は、多くの人の心を動かした。

 なぜだろう? なぜ、人は自分のことではなく、他人のために動こうとするとき、力を出せるのだろう。

 それは、人間が「愛」を知っているからだ。自分のためにではなく、他人のために動こうとするとき、宇宙の根源力である「愛」の力が働くのだ。

 人が宇宙と一つになる瞬間……

 自分が苦しくなったら、そんなときこそ、人のために何かをしよう。

 きっと、大きな力が湧いてくる。