2002年 「こどもの大統領」学習研究社から出版!
【あとがき】 夢見るミックモック
あるとき、このミックモックのお話が宇宙から降 りてきました。
小さな子ども-純粋な天使 のように正しい心を持った子ども-が、も しも、この世で権力を持ったなら、その子 はいったいどんなことを望むのだろう……。
さて、“史上初”の「こどもの大統領」 になったミックモックが、一番最初に試み たのは、なんと「軍隊」を変えてしまうこ とでした。
正直言って私は驚きました。というのは、 私も誰もと同じように戦争には絶対反対で すが、普段、自分の身近な問題として深刻 に考えてはいなかったからなのです。
とこ ろが、戸惑っている私を置き去りにして、 ミックモックはどんどん先に歩いていくの です。最初のお話が完成したのは2001年の中頃でした。
……そして、あの世界が変わってしまっ た2001年の9月11日の事件が起きた のです。アメリカが同時多発テロという、 痛ましい災難に見舞われたのです。
事件をニュースで見た瞬間、私は「戦争 が始まる!」と直感しました。でも、その 時はほとんどの人が、まさかそこまでは… …と、思っていたようです。
やはりその事件は、私たちの国、日本を も巻き込んで戦争へと暗い雲をひろげてしま いました。そして、またも戦いの中で多く のかけがえのない生命が奪われ、悲しみと 不安と恐怖が世界をおおいました。
私は初めてわかったように思いました。
ミックモックを書かせていただき、一番 最初に流れてきたお話が何故“軍隊”のこ とだったのかを……。
世界は今、大きく変わろうとしています。 どんな未来が来るのかは、私たちの一人一 人の心にかかっていると思います。
ミックモックは、無垢な明るい子どもら しい心で、ただ、自分の願うように行動し ているだけなのですが、私には、何か偉大 な力を感じずにはいられません。
聖書のこんな一節を思い出します。
「心の清い者は幸いです。彼らは神を 見るでしょう」