私たちの本当の雇い主  …あなたは、天に雇われて、そこにいるのだ。

 ~『すべての人は天に雇われている』天職に出会うための88のヒントより~

●ヒント51

なんて悲しいい習慣だろう。

私たちは、「明日」のことを心配する。

今日1日が無事に終わったのならば、後は感謝して眠るだけでいいのに、今日は大丈夫だったが、明日はどうだろうか?と、つい心配してしまう。

今のように、リストラや人員削減が多くの会社で実行されている状況では、「今日は大丈夫だったけれど、明日は我が身かもしれない」と、解雇や左遷を恐れて戦々恐々となるのも無理はないと思う。誰にも確かなことがわからないからだ。まさに暗中模索である。

日常には、確かなことなどどこにもない。会社の終身雇用の神話はすでに崩れてしまった。銀行までが倒産し、保険会社もつぶれ、保険や保証も当てにはならない。

値上がりするという言葉を信じて、ゴルフ会員権や絵画に投資した人たちも損をしてきた。

けれども、人は、自分が当てにしていたものが崩れたとき、今まで以上に自分の「不確かな居場所」に執着してしまう。壊れて、沈みかけた小舟の板きれをしっかりとにぎりしめるように。

しかし、あなたは、会社や国に雇われて、働いているのではない。

「何をバカな!」と思われるかもしれない。現実に、会社や国家から給料をもらっているのだから、そこに雇われているのじゃないかと反論されるだろう。

けれども、実際には違うのだ。

あなたは天に雇われて、たまたまそこにいるだけである。

あなたが今勤めている、あるいはアルバイトをしている会社は、あなたが自ら求めて試験や面接を通過して、就職をしたところかもしれない。また、頼み込んだコネを使ってやっとの思いで入った一流企業かもしれない。あるいは、誰かの紹介で腰掛け程度にいるつもりで、気軽に勤めているかのかもしれない。

それでも、真実は少し違う。

誰に付けてもらった名前であっても、本当はあたな自身が別次元から想念で「送った」ように、あなたは天の人事異動によって、そこに派遣されているのである。

もちろん、そこには、あなたの意思による霊的な申請がある。

今度、転生してきたあなたの使命の遂行のために、天が地上の人材派遣会社やハローワーク(職業安定所)のように、あなたをそれぞれの会社に派遣したのである。

そして、子供が小学校から中学、高校と成長とともに変わっていくように、仕事の世界でも、役職がついたり、責任が大きくなったり、仕事の内容が複雑になっていく。ときには、転勤になったり、子会社や別会社に出向したり、あるいは転職したり、辞めて、自営に踏み切ったりすることもある。また、望まないのに、左遷されたり、リストラで退職勧告され、やむなく会社を去ることもある。

それでも、人は天に雇われているのだ。

あなたがどこに勤めているのかは知らない。一流と呼ばれる大企業なのか、今にも倒れそうな会社なのか、それとも自営で頑張っている人なのか。

また、雇われているのではなく、あなたが創業者である場合もある。オーナーであり、あるいは、雇われた社長の場合もあるだろう。はたまた、短期のアルバイトかもしれない。それでも、あなたは天から派遣されて、天の意思を実行するために存在しているのである。

会社に人事部があり、あなたが知る前に、あなたの処遇が決められるように、天があなたを移動させるときにも、誰にもわからない。しかし、地上の会社と違って、天はあなたを移動させる場合には、すでに次の派遣先も決めてくれている。

「そう思ってみたら、ラクになるよ」と、楽天的な発想の転換を勧めているのではない。この「事実」を伝えたいと願うだけである。