間のいい人は自然体でリズムが合う、間の悪い人は日頃の注意で補おう

〜「人生を変えるヒント」No.42より〜

 日本には、”間”(ま)という言葉がある。時間や空間の距離感をいうが、もともとは歌舞伎などで使われていた密と疎、緊張と緩和のバランスを意味した。間の良き、悪さはビジネス社会でも成功を左右する。

 あなたの職場にも間のいい人がいるだろう。その人は何をやっても、すっと自然にはまる。似ているが、要領がいいというのとは少し違う。要領がいい人は、自分がトクになる位置にばかり行こうとする。それも1つの”我”の表れである。だが、要領がいいと思われているだけ、すでに人に見破られている。

 間のいい人は、職場や仕事に流れているリズムに自分の体や行動を上手に合わせられるのである。武道の達人が自然体という、どんな攻撃にも対応できる姿勢を身につけるのに近い。武術では、相手の呼吸を読む。間のいい人は、意識して人の呼吸を読むのではないが、相手が一番リラックスできる位置にすっと座ったり、商談に入る会話のタイミングに好感がもてるのである。

 反対に、まが悪くて失敗ばかりする人もいる。相手の虫の居所が悪い時に訪問してしまったり、たまたま私用電話をしているところを上司に見られたり、珍しく遅刻してきたときに限って重要な電話が入ったりと、人より目立って損をしてしまう。

 さて、あなたは自分で間がいい方だと思うか、それとも悪い方だろうか。判断できない人は、子供のころに縄跳びにすっと入っていけたかどうかを思い出して見るといい。

 世の中には全てリズムがある。リズムと調和するには、「我」の力を抜くことだ。間のいい、悪い…日頃から気をつけると、ずいぶん違ってくるはずである。