風の言葉 – 28

世の中が変わるのは、賛成! 
でも、せっかくウマくいってる自分の周囲まで変わるのは、
絶対反対!!

……世界は、本当に瞬(まばた)き一つの間に変わったりするよ。
昨日まで、当たり前だったことが、今日は当たり前じゃなくなっている。

けれど、たいていは、そのことに気づかないまま、あるいは、見て見ぬふりをして暮らしているから、人間は、世の中はどうであれ、自分たちの日常には、そう大きな変化は訪れないだろうとタカをくくっていたりする。

でも、中には、自分自身や周囲の人間関係に行き詰まっていたり、生活環境を変えたいと願っている人もいる。なのに、自分からはなかなか変化は起こせない。起こす“勇気”や“力”が自分にはないのだと“信じている”。

だから、誰かが世界を変えてくれる。自分を変化させてくれる、ことを待っている。

自分の境遇を不遇だと感じないまでも、“世界が変わってしまう”ことを漠然と待ち望んでいる人は結構居るんだ、と思う。


ときおり、「今の幸せが、このまま続きますように……」という祈りが聞こえる。
恋愛か、仕事の成功か……、きっと、今、充実して、人生の“幸運”を噛みしめている人なんだろうね。

そんな人の周りでも世界は止まることなく変化し続けていく。

その結果、昨日までの「幸せ」が、今日は無くなる事だってあり得る。
それは、例えば、自分の住んでいる町が開発されて賑やかになって喜んでいたら、前からお気に入りだったお店がそのあおりで潰れてしまった感覚に似ている。

「だったら、それは、困る! 絶対、反対!」と、叫んじゃう?

だって、世の中が変われば、個人の意識や思考も影響を受けて、変化していくよ。その結果として、大好きなダーリンがあなたから離れていく、あるいは、あなた自身が自分から脱出しようと、今までの人間関係を変えていく、そんなこともあり得るんだよ。

自分の都合の良い状態を残したまま、世界だけ変わって欲しい、いや、変わるべきだと思う……。
そんなチョーシの良い「変化」って、残念ながらないんだよ。


ずっーと「自分を掴んでる」、その事がどういう意味か解らない人は多いでしょう。
じゃあ、こう言えばどう? 

今の世界が良い方向に変わるなら、周囲も変化して、その結果、自分にとって都合の悪い状況が起きたとしても、仕方がないと思える。

そう思える人は、自分を掴んでいない。手放している人。また、一期一会の本当の意味を理解している。

「世の中は良く変わって欲しい、と思うわよ。でも、自分の周囲が、変化したことで都合悪く変わっていくなら、イヤだ!」
と、感じる人は、まだまだ“自分を掴んでいる”んだよ。

 
世の中には、一見都合の悪いように見える事が起きたりするよね。
しかし、その事がきっかけで、今以上の「幸福」に巡り会うことだってある。

いろんな事を最初から手放していれば、人はもっと自由になれる。
その自由は、「愛」と「勇気」と「孤独の真の意味」を教えてもくれる。

かくして、地球の進化と変化は、続くのであった……。
 
 
2008年5月28日 真夏日のような暑い日が続いていますね。皆さんもお身体に気をつけて。