風の言葉 – 18

収まるところに、収まっていく……

新年、あけましておめでとうございます

年末や大晦日に、お掃除をしたり、要らないものを整理したり……、きっと慌ただしい年の瀬を迎えられたことと思います。

少し前に、「整理整頓術」みたいな本が流行りましたよね。
それだけ、片付けや整理の苦手な方が多いと言うことでしょうか。

なんでも、「整理・分類」していくと、どこにも入れられないものが出てきたりします。
要らないものは捨てれば良いけれど、なんとなく気になって取っておきたい。
そんなとき、多くの人は、「新しいファイル」みたいなモノを作って、そこに整理するでしょう。
新しいカテゴリーは、そのまま「自分との新しい関係」となっていきます。
 
けれど、それが、モノではなく、人間関係や、仕事、恋愛、自分の運命の整理なら、どうでしょうね。

きちんと整理しておきたいもの、はっきりさせたいもの、きっとあるはず。
でも、どこからどこまでが、どういう関係なのか? 人間関係や恋愛は、境界線が定かではないものが多いでしょう。
その選択によって、仕事や運命までも関わってくるから。

「これからの仕事はどうすればいい? 誰々さんとやっていけるのかな?」、「私たちの恋は、どうなっていくの?」、「自分の将来はどうすればいいんだろう……」と、スッキリしない関係がほとんどです。もう、モヤモヤのイライラだあーって言う感じ。

当然ですよね。仕事も恋愛も「相手」があることですから。特に、人間の心は一定していません。相手の気持ちも変わるけれど、自分の心も知らず知らずに変わっていきます。特に「自分の正直な気持ち」となると、なかなか素直になれなかったりします。

そういう時は、「距離」を置いて、自分を観察する努力が必要なんです。
「今までの流れ」、「現在の状況」、「考えられる未来予想」それを出来るだけ、冷静に分析することです。
ただ、「執着」が入ると、なかなか冷静に分析できませんが。
特に、人間は、自分にとっての「都合の悪い選択」は本能的に避けますから。

で、結局、これは、一時的な「気が済む」という作業なんですね。
「なんだ? じゃあ、意味ないじゃない」
と思うでしょうが、整理してみて、自分の中で不確定要素が強いものが、何なのかは、ハッキリとしたでしょう。
およそ予測が付くことなんて、始めから「整理」の必要などないのです。
また、どうなっても良いモノは、たいして気にもしません。

「いったい、これからどうなるんだろう?」とやきもきしている方に、良い解決策をお教えしましょう。

なんにもしないことです。

えっ?!

「なるようになっていきます」から。また、「なるようにしかなりません」。
人間関係も仕事も恋愛も運命も、すべては、「収まるところに、収まっていく」のです。

為す術もない、というのとは、ちょっと違います。
だって、人は、結構、いろんなことに「あがく」でしょう。その結果、「なるようになっていく」のです。

では、何もしなければ?

やはり、同じように「なるようになっていく」のだと思いますよ。

なんで? ホワイ、プルクワ?

それは、「あがく」ことも、「何もしない」ことも、結局は、選択の中に入っていることで、流れの中で、収まるべき処が自然に整理されて、自然に収まっていく、からです。
それを昔の人は、「すべては御心のままに……」と言ったりしました。
誰のかって? もちろん、自分自身の内なる御心ですが。

 
2008年1月6日 家の窓から、丹沢大山の夕焼けを遠くに眺めながら。