今週のお言葉 – 59

虹の向こうに……
今年こそ!、と思う。
何を今年こそなのか、自分でもよくわからないのだけれど、「今年こそ」と思っている自分がいる。
あれこれと考えることは、割りとある。
計画、というほどのことではないけれど、あんなこともしたい、こんな事もしたい、と願っている自分が毎年いる。
そうやって、何十年も生きてきたように思う。
で、結果的に何が残ったのか?
僕の場合は、何冊かの本と大切な出逢いとかけがえのない友人たち……。
しかし、形ではない。もっとこう、何か別のもの……。
そう、あえて言うなら、「今の自分」。
よく、将来どうするの?
と、言う言葉を耳にする。
若い人にだけ言う言葉かと思っていたら、今は、定年退職した人にも聞くらしい。
老後の生活の事である。
一年間平均で300万円の出費として、30年間生きるなら、9000万円のお金が要るのだという。
常識的に考えて、とても蓄えられない。
「生涯安心」と、熟年の保険がいろいろな保険会社から宣伝されているが、どれも最初に払い続けなければならない。
おまけに、年金は、七〇歳からになる、と云われている。
その年金を払っていない多くの人もいる。また、払えない人もいる。
「豊かさ」の基準が、お金になってから、私たちはとても貧しくなったように思う。
持つ者と持たない者……。
勝てる者と負ける者。
世界は、二極化していくという。
でも、思い出してみてほしい。
あなたは、そんなに計画的に生きて来たのか?
じつは、僕は昔、計画性を持って生きていた。それが、ある時に、突然、死んでしまってから、何の計画も持たなくなった。
そして、今日まで、あまり考えて生きては来なかったように思う。
それでも、今日、こうしてここに生きている。
今日まで、なんとか生きてこれたなら、これからもなんとか生きていける、とそう思う。
それは、甘い! 人はどんどん年を取る。 と言う人もいるかもしれない。
今まではまだ若かったからやって来れたのだ、と。
これからは、皆、高齢化し、社会もたいへんになるから、と。
確かに!
でも、それでも、「なんとかなる」と思うのだ。
きっと、僕が宇宙を信じているから。
「自分を生かしてくれている」宇宙を信じているから。
では、その「宇宙」を信じられない人は、どうするのか? どうすればいいのか?
僕は、「関係ないね」と、断言する。
その人が宇宙を信じようと、信じまいと、「宇宙」の方が、その人を信じているから。
……ホームレスの厳しい現状を幾つも見てきて、尚もそう思う。
なぜなら、それが、「宇宙の真理」だと知っているから。
空にかかる虹は美しいけれど、傍に行くと見えなくなる。
でも、虹は消えたのではなく、その人を含めて、虹として輝いている。
だから、ねっ、きっと大丈夫!
★「宇宙」をどう読み替えてくださってもかまいません。「神さま」でも「上様」でも、「ビリケンはん」でも、「サムシング・グレート義太夫」でも。
どうぞ、誤解のないように。無計画に生きよ、と言っているのではありません。計画しても、しなくても、動くべきときには、周りが変化して、動かざるを得
なくなる、からと思っているのです。