今週のお言葉 – 47

この世界は平等?
……耳を澄ませると、ときおり聞こえてくる。
なぜ自分ばかり、こんな目に遭うのだろう?
どうして、あの人は何もかもうまく行っているのか? と。
それは、誰かのつぶやきだったり、気がつくと自分の心の声だったりする。
きっと、多くの人が漠然と思っている。世の中は平等なんかじゃないんだ! と。
「でも、みんな独りで生まれて、独りで死んでいくよ」
「……そ、それは、そうだけど、運のいい人、悪い人っているんじゃないの!」
なるほど、確かに、生まれつきの才能があったり、スタート地点から、恵まれた環境に生まれてくる人はいる。
また、いろいろな巡り合わせの幸運も重なって、努力が報われる人もいる。
例えば、野球のイチロー選手やゴルフのタイガーウッズ、古くは、モーツァルト……。
皆、天才と呼ばれる人ばかり。
「あ、あのね、何もこの人たちと自分を比べたりはしないの。もっと、普通の人たちと自分の違いを……」
……だけど、この世界に普通の人なんかいない。
私たちは、目に見える現象だけに捕らわれてしまう。
今、一流と呼ばれる人たちが、前世やその前の生で、数多くの挫折を経験し、結局は何もこの世に形を残させなかった人たちだったとしたら……。
そして、その人たちが、それでもあきらめきれずに、口惜し涙に濡れて、「次に生まれてくるときは!」と激しい決意と悲痛の内にこの世を去っていたなら……。
それでも、その人達は、天才だから、幸運だから、と言えるだろうか?
「よくやったなあ、今までの苦労が報われたなあ」と、拍手を送りたくなるのではないか。
身体や心に障害を持って生まれてくる人も同じ。
「この世」という厳しい修行の場で、何段階も飛び越えた「進化」を求める魂たち。
……私たちはいつも宇宙の奥深さに魂を奪われる。
目の前に現れている「現象」の奥に、真理を読みとる事の大切さを、彼らを見ている私たちに教えてくれる。
私たちはすべて、互いに切磋琢磨する関係なのだと。
この世は結局は平等なのだ、と思う。
そう思えた瞬間、あなたも私も、共に宇宙のすぐそばにいるのだ。
だから、私は、そっとつぶやかずにはいられない。
宇宙はね、こんなちっぽけな「私」をも愛してくれているよ