お告げ – 93

ダマされたら、アカンで!
信じられまへんけど、いまだに「振り込め詐欺」に引っかかる御仁がいるらしい。
もっとも、ダマす方もだんだん巧妙になっているとか。
パソコンでインターネットを開いて○○○なページを見ていると、突然、染之助、染太郎のように、『おめでとーございます! 999999人目のあなたにロトの懸賞金が当たりました!』なんて、言葉が出てきたりしますなあ。なになに? 世界中の人たちが、ネットを開くことで自動的に微々たるお金を落としている。それが積もり積もって、巨額の賞金となって……、それがあなたに当たったんですよ! さあ、受け取りますか? それとも、辞退されますか? みたいな、男心をくすぐる(あっ、女心もくすぐられるかな?)コピーが書かれていたりして……。
結局、賞金を振り込むためのクレジットの口座番号を教えろよ! みたいなことになって、教えたら、高額の何かを買わされたことになって、引き落とされていたりするとか、しないとか……。
「お金」のエサで、もっと大きなお金を釣ろうとする、まあ、うまいこと考えよるなあ……と、感心していてもしようがないけど。
詐欺とは言わないけれど、よく、週刊誌の広告で、「パワーストーン」や「金龍の力が授かる実印」とか「超幸運のネックレス」を売っているのがありまんがな。
「ロシアの超能力者エメリヤエンコ・ヒョードルが念を込めた!」とか、「これこそ本物中のホンモノ! フリーメーソンブレスレット」とか、「あかん、神さん、逃げはります」もあれば、「効かなかった時は、代金全額返済します!」と、たいそうな宣伝文句がきらびやかに並んでいるやつですわ。で、それらが数ページに渡って、いろいろと違う会社の広告が載っている。「これぞ、真のホンモノ!」って、数ページもあるやん。いったい、どれがホンモノやねん!
しかも、おんなじようなモデルや証言者が、札束の山や外車やボディコンの金髪美人?(これがよーわからんのやわ)と一緒に写真で証言してはる。「まさか? と思っていました!」とか「信じられない幸運の連続!」とか、「やっと、ツキが回ってきました!」、「今までバカにしてた奴を見返したる!」と、金欲丸出しのウハウハのVサインした顔で写真に映っていますやろ。
あなたは、週刊誌を手にとって「うーむ、すごいなあ。ほんとなんやなー」と分厚いメガネでじーっと眺めていたりするかも。
でも、ちょっとは考えようね。
まず、証言者ですわ。この人たちは、本当に実在するのか? と疑ってね。
以前に、ワシが広告の仕事をしていた時、あるモデルが、「このまえねー、幸運のネックレスの仕事しましてん(大阪弁どした)。せやけど、誰にも言うたらアカンでーと、社長さんが5万円上乗せしてくれはってん。儲かったわー」とバラしていたことがあったんだよ。まあ、ほとんどの写真に映っている人は、その広告を出している会社の身内なんだろうと思うけど。
今も形を変えてはびこるマルチ商法も同じ手法。
「借金でクビをくくろうとまで考えていた私でしたが、今では、ベンツ二台。東京の白金台に白亜の家を新築できました! 皆さんも一緒に、この万能タワシを売って、成功しませんか!」と涙ながらに熱弁ふるう証言者が必ず一人か二人いてはります。で、ご丁寧に、その家の前でニコニコしているスライド写真が映ったりして。
でもまあ、そう簡単に人は信用しませんわな。そこで、サクラが登場するわけです。「貧ーしさに負けたー」「いえ、世間に負けたー」というサクラとイチローと違いまっせ。寅さんの映画でもおなじみのサクラ、「いやぁー、安いわー!」とわざとらしく驚いたり、「可哀想になー」と涙顔で同情して真っ先に買う、まあ身内ですわ。そのサクラは、二次会場の食事会なんかでヒラヒラ動いて、「私もね、最初は疑ってたんですよ。そんなオイシイ話はないやろ、と。それで、この前、アトを付けていったら、ほんとに白金の高級住宅地に白亜の豪邸が建っていて、そこに入っていったんですわ」と林家パー子みたいな顔で告白しますねん。すると、それまで疑っていた人が、コロっと面白いくらいにダマされるそうです。
ちょうど、インチキな新興宗教のお話会で、「この町を救ってくださったのは、あの教主様なんです」とお弟子さんが涙を流して深刻な顔で告白しているのを聞いて、自分はその現場に居たことも、実際に見たこともないのに、「そうなんですかー」と感心して信じてしまうのと似ていますなあー。
よい子のみんなはマネしちゃいけないよ。自分で体験したことだけを判断するようにしようね。って、体験しても、疑っていろよな。集団催眠かもしれんし。
結局、幸運グッズやマルチなんかは、その人の中に「トクしたい」という「欲」があるから、引っかかるのだし、変な宗教は、「ワラにもすがる気持ち」という「依存の心」があるから、はまってしまうんでっしゃろなあ。あと、「信じたい気持ち」があるから、信じてしまう。
人間は、自分の「信じたい」ことだけを信じますから。どれだけ、他人から怪しく見えても。
世の中にダマされないためには、どうするのか?
ワシは、「自立」しかないと思ってます。
それも、経済や精神の自立を超えた、「意識の自立」かな。
そのためには、ワシが竜神様の念を吹き込んだ水晶の鐘を10万円で買えば……。いや、そうやのうて(汗)、
簡単に信じないこと、洗脳されない心を持つこと。
徹底的にうたがいなはれ! 自分自身もね。
最後に幸福屋から一言。
ワシの願いは、この世から、すべての宗教と戦争が無くなること。それが意識が自立した世界だと思っているから。特にどこの宗教にウラミがあるわけじゃないのよ。人の「依存したがる心」が、宗教を成り立たせているから。……なのに、究極の「自立」を促すためのボディ ライトニングを宗教的って思う人がいるのは、なんでやろ? もしかしら、自分自身と向き合いたくなくて、誰かにすがりたい心の方が強くて、それを正当化したいから、なのかも。
ところで、ワシのオカン(母上)は、ありがたいことに「ダマされたら、アカンで!」とは、言いまへん。いつも、「人をダマしたら、アカンで!」と言うてくれます。
2008年 1月25日 セブンイレブンのおでんを買いに行くかどうかと、二時間も迷いながら……。