お告げ – 84

開放的思考と閉鎖的思考

まだ5000円ある!と、もう5000円しかない、の本当の意味

…………ぼーっとしている京都のおばはん。
カラスがカアーッと鳴いて飛んでいく。
BGMにサイモン&ガーファンクルの「コンドルは、あさっての方角に飛んでいく」が、かかっていそうな雨上がりの夕刻……。
木の梢の葉っぱの先から落ちた水滴が、おばはんの顔に当たって、波紋がひろがっていく。

(ハッ!として) なんどしたかな。
そや、「左脳と右脳のバランス」が大事やで、という話は前にしましたな。
左脳がちゃんと働かんと、一生懸命思考しているように見えて、意識は虚空をさまよっているようなもんなんどすわ、おほほほほ。

たとえば、有名な「まだ5000円ある、もう5000円しかない」の論理どすが、考え方一つで、同じ状況に対する意識が180度違いまっしゃろ。心の余裕とは、現実に左右されるのではなく、自分の立っている位置からしか生まれて来まへん、と言うとるんですなあ。
その論理は、さらに、フィールドにはまった状態での思考の危険性をも指摘している、そんなことは、まあ、知らはらへんかったでしょ。

ほんま、怖いことどすえー。
たとえば、結婚して苦しんでいる多くの人は、「それでも、自分が選んだ人やから」と自分の責任を感じ、それで自分を責めて、悲しんでたりしますやろ。確かに、あんたが選んだんや。それはそうです。言い訳の余地はありまへん。選ばんかったら、そんな苦労せんでも済んだかもしれまへんな(キッツいなー)。

けどな、選んだとき、自分の思考状態は、冷静で、なんの偏見や価値観にも支配されてませんでした、と言い切れる人がどのくらい居てますやろ。たいがいは、親や友人など周りの意見や、世間体みたいなもんの影響を受けて、その中で「自分の意志」で選択したのと違いますか? あるいは、自分の意地やったり、親に対する反発やったり、誰かへの当てつけやったり、「いきおい」みたいなもんで、選んでしもた、というのもありますやろ。

それは、冷静な客観的思考、とは言えまへんで。
わたいは、そういう思考を「閉鎖的思考」と呼んどりま。
戦争で、周りがみんな「戦うこと」を選んでいるとき、自分一人が、「逃げること」をなかなか選ばれへんように、一つのフィールドにはまっている状態での思考は、時に、正しくない選択を強いることが、ぎょーさんありますのんや。

ほたら、どんな思考がええんか? というとな、自分の意識を拡げてくれる、未来を明るくしてくれる、「開放的思考」がよろしいんどすわ。
「そら、どんな思考やねん?」って、サカイ引越センターのおっさんみたいに言いなはんな。 

たとえばやな、「みんなこう言うてるから」とか、「世間一般では、それが当たり前」とか、「今までの経験から……」とか言うて、可能性を否定、あるいは限定してしまう思考が、世間の閉じこめるフィールドにはまってる「閉鎖的思考」なんやったら、それの反対をやればよろし。「世間は関係あらへん。人は人や、自分は自分やんか」とか、「予測は予測であって、やってみないとわからへんやろ」と、前例もジョーシキも超えて発想する。それが、「開放的思考」なんよ。

フィールドにはまっている状態は、自分で自分を制限している状態やで。そんなんで、ホンキの力が出まっかいな、と、京都先斗町(ぽんとちょう)のお好み焼きの御主人も言うてはります。

「平均的の思考」から生まれるのは、平凡な結果だけ。自分の限界もわからんし、超えられもしまへん。
けど、世間一般の通念とか、ジョーシキと自分は関係がない、通用しまへんのや、と舞妓はんのような強い態度で臨むとき、思考は、ありもしない方向からの情報やインスピレーションをキャッチしますのんや。それが、宇宙の叡知ですがな。

あんさんら、今日まで、そういうのは、右脳の直感やと思うとったでしょ。確かに、右脳は、そういう分野の働きモンや。けど、左脳がきちんと働いてへんと、いわゆる思考し続けてへんと、それが、「妄想」か「天啓」かの判断はできまへんのや。わかったか、秋のボケナスー。


まあ、これから、どないしはろうと、あんさんの自由どす。
今までみたいに、「どうせ、あたしは」と、「やりもせん」のに、悲観的に嘆いてるのも自由やし、逃げ続けるのもエエでー。
けど、もし、「自分がなんかやりたい」、「まだ、あきらめられへん」と、思うことがあったら、あんまり、世間のジョーシキで判断せんことやね。
南極で氷を売る、ほどの智恵が出せんでも、フィールドから外れて、自由に考えるとき、すんなり「道」が見つかったりします。
「案ずるより、生むが横山やすし」、言うてな。

これ、わたいの持論ですけどな、おほほほほほ。
 

最後に幸福屋から一言。
激辛のカレーを食べている人の汗と、激辛ラーメンを食べてる人の汗、同じように見えて、違う気がするような、しないような。
カレーの時の汗は、「さわやか」な風が吹く感じ? けれど、ラーメンの時の汗は、「トンコツ」みたいで、なんか暑苦しいイヤーな感じがするのは、僕だけやろか?
 

2007年 10月8日 今は、晴れ。