お告げ – 36

インナーチャイルドって、言んなーちゃい!
ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの『果てしない物語』iに登場するファンタージェンの女王“幼な心の君”に付けるべき本当の名前は、「Mondenkind(月の子ども)」だった。
それは、月紀の力、霊性の復活を意味していた。子どものように純粋な心と宇宙的な叡知の合致、それこそが、世界を本当に正しく導くことができるのだと。
私たちは誰でも、「子どもの心」を持っている。遠いあの日に忘れてしまったように思える、子どもの心を内に秘めている。俳優の中尾彬のように、捻りまくったマフラーが似合うようなオッチャンになっても、また、江守徹のように「ぐふふふふふ」という不気味笑いの似合うオッチャンになっても、その心には、子どもの魂が眠っているのだ(ずっと眠ったままかもしれんけど)。
そして、その「子どもの心」は、私たちの忘れてしまった、遙かな記憶を所有している。自分が何のために、この地上に降りてきたのか、をちゃんと覚えている。前の人生がどんな人生だったのか、自分は何を得て、何を失ったのか、それで、今度は、どのような生を生きると決心してきたのか? 私たちが、この世にポンと生まれてきた瞬間にスコーン、スコーン、コイケヤスコーン(古い!)と忘れてしまった“大事な事”をちゃんと記憶してくれているのだ。
何よりも、前世で痛い経験や喜びを体験して、人生の意味を真剣に考えていた、「あなた」のことを記憶している。
さて、あなたは、今、どこにいて、何をしているのだろう?
今のあなたは、子どもの頃に夢見ていた「あなた」だろうか?
「私の人生……こんなはずじゃなかった!」と嘆かれるのだろうか?
もし、想いと違うのなら、何が原因で、そうなってしまったんだろう?
やり直したい気持ちはあるだろうか? まだ、あきらめない勇気を持っているだろうか?
人生は、いつからだってやり直しができる! それは、真実だ。宇宙のお約束でもある。
だけど、現実は、そう簡単じゃないことも真実なのだ。
なぜか?って、
今の自分は、昨日からの続きの自分だから。
明日の自分は、今日の続きだから。
そして、何よりも、自分自身を信じられないから。
もしも、「よおし、やり直すぞ」、いや、「やり直したい」と願うのなら、どうすればいいのか?
それは、どんな人も、自分で「目覚まし時計」をかけている、という事実を信じることだ。
ファンタージェンの女王が、「月の子ども」と呼ばれた事で、本当の自分を取り戻したように、あなたも「何かのきっかけ」、あなただけに分かる「合図」をちゃんと、
あらかじめ設定しているのだ。
あなたの内なる子ども、インナーチャイルドは、いわば、その管理人である。目覚ましが鳴る時期とタイミングが一秒もずれないように、ちゃんと見張っているのだ。
誰の命令で?
もちろん、あなたの、である。
どうだろう? ちょっとは、自分という存在は、案外大したもんだと見直しただろうか?
しかあし、
「……あのー、わたしぃ、目覚ましが鳴らなかったのではないかと……」
「あたしは、かけ忘れてきたのではないか……」
そんな声も聞こえてくる。
自分のは鳴り忘れたのではないか? それとも、いくら鳴っても起きられなかったのだろうか? と。
では、この「幸福屋のお告げ」が、目覚ましのきっかけだとしたら……?
宇宙の深遠さは、誰も計り知れない。誰かが、誰かの役に立つように、ちゃんと計画されている。巡り巡って、自分が誰かの目覚ましになる時だってある。
あなたが自分の人生を振り返って、なんとかしたいと思うとき、何故かその時本屋にいて、たまたま指が泳いだ先に『人生を変えるヒント』が置いてあることだってあり得るのだ。(パチパチ!)
いや、まあ、冗談はさておき、とにかく、「このままでは、あきまへんなあ?」という内なる焦りがあるとき、すでに何かが動いていることはよくあることだ。
焦りは、未来に起きる「変化」をキャッチしていながら、それに対応する準備をしていない自分自身への警告でもあるからだ。
「自分の人生には、大きな変化など起きないと思う。なぜなら、自分は変化をもっとも恐れるから、結局は望んでいないのよ」とのたまわっていた人が、90度、人生が直角に曲がってしまって、自分自身で驚いた人もいる。
つまり、人生はいつからでもやり直しができる、という本当の意味は、「やり直す」時が来たら、否応でもスイッチが入るという裏ワザでもある。
でも、さっきはそう簡単でもないって、言ったじゃない。 と、反論されるだろうか?
簡単じゃないのは、目覚ましが発動する時は、ぎりぎりの状態だから。その変化は結構きっついよ、という意味なの。
そうと知ったら、今から、起きる? いや、たぶん寝ているだろうなあ。
「あと、もう5分寝かせて!」と、言って……。
こっちは、56億7千万年も待ったのに……ブツブツ。
最後に幸福屋から一言。
ワシは、「子どもの心」を特に日頃から大切にしている。一週間の内、アニメと怪獣ものの特撮テレビは、朝、夕、深夜とかかさず録画して見ている。先日、弓の道場で「この前の魔法戦隊マジレンジャー(日曜テレビ朝日、朝7時30分から放映)見た?」と言ったら、みんなシーンとしていた。そしたら、隣のおばさんが、「ああ、うちの子、前まで見てたけど、おもしろないって」と言った。
幾つ?って聞いたら、5歳だった。ワシの「こどもの心」っていったい……。