お告げ – 30

「ナタデココ、買いに来たけど、ナカッタデココニ」

御所河原組長の名文句 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』より

「いつまでもあると思うな、親と金」という格言がある。
それは、「チャンスの神さまには前髪しかない」という言葉と等しい。
あるいは、スーパーの安売りを横目でながめて、「あっ、後で買いに来よ」と思って、正直に後で来たら、すでに商品は売り切れて無くなっていた、という無情感にも似ている。
いずれにしても、巡ってきたご縁は、その時かぎりだったりする。と、いうお告げである。
 
けれど、本当に大切なお告げは、世界は刻一刻と変化している! ということなのだ。

ワシが常に違和感を持っているものの一つに、テレビがある。
多くの人は、「最新」のものをテレビの中に見ている、と、錯覚している。
ニュースを始め、グルメ情報からファッション・トレンド、住宅事情や買い物まで、テレビ番組は、いち早く知らせてくれているように見える。

だが、ワシに言わせれば、テレビで映されている世界は、一番古い情報に映る。
テレビは、「すでに流行ってしまっている情報」しか映さない。
また、人々の視線を同じ方向に向かせようとする。
世の中が、本当に「変わってきている」のに、テレビから流れてくるものは、「今までと変わらない日常」である。
まるで、誰にも、本当の変化を気づかせたくないかのように。
 
また、本屋に行ってみるといい。
新刊書や、賞を取ったもの、最近の売れ筋の本が揃っていて、いかにも「最先端」を映しているように見える。
でも、本屋さんの多くは、本のことを何も知らない。テレビや新聞の情報を鵜呑みにして、品揃えしている。
テレビや本屋で「世界の情報」を見ている人たちは、とても古いものを見せられているのだ。

では、いったい誰が、本当の世界を知っているのだろう?
答えは、「注意深くある」人だけである。

表面に見えている現象や情報を頭から信じることなく、「本当は何が言いたいんだ?」と疑ってかかっている人の方が、本当の世界に近い。

さらには、テレビも観ない、新聞や週刊誌も読まない、何の情報も持たず、ただ、真摯に「祈っている」人である。
本当に必要な事は、虚空からもたらされるからだ。

あなたは、ホワイトハウスの情報事務官と、グランドキャニオンの上で祈り続けている先住民と、どちらが「世界の本当の情報」に近いと思うだろうか?

ナタデココは、いつもそこにあるように思う。
だが、買いに来る=意識して見る と、そこにはすでに存在しない。
ぼやぼやしていると、憲法9条が改悪されて、日本はまた軍事世界に逆戻りしてしまうかもしれない。

私たちは、もっと眼(まなこ)を大きく見開いて、世の中を眺める必要があるようだ。