お告げ – 130

さよなら人類、また来て人類
♪今日、人類が初めて、木星に着いたよぉー。ピテカントロプスになる日も近づいたんだねー♪
……むかーし、昔、こんな歌がヒットしておったー(まんが日本むかし話の常田富士雄調で)。
知っている人もいると思うけれど、これは2003年10月に解散してしまった「たま」の『さよなら人類』という歌の一節。
なんだか不思議な哀調で、僕たちの心に迫ってくるものがあったのだよ。
この歌は、じつは普通に聞いているだけではワケがわからない。意味不明の暗号に満ちている。
けれど、巨匠スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1963年 原作 アーサー・C・クラーク)を観たことのある人なら、ニヤリとするはず。
『2001年宇宙の旅』の映画の冒頭で、対立する二組の猿人達(ピテカントロプス)が互いに牙をむき出して威嚇(いかく)している。
その中央には、長方形の黒い石板(モノリス=MONOLIS)が不気味に立っている。
その黒い壁からは、奇妙な振動が発せられていた。
すると、一匹(人)の猿人が恐る恐るモノリスに近づいたのである。
猿人がその黒い物体に触れた瞬間、その脳に強いパルスが走った。
そして……、猿人は傍らに落ちていた動物の骨を“武器”として使用することを覚え、自らの猿人のグループを率いて、対立する猿人たちに勝利するのだった。
それは、猿人が人に進化した瞬間だった(人殺しの為の武器を持った最初の瞬間?)。
……それから、何百万年かが過ぎた。
文明を発達させた人類は、夜空に輝く月に手を届かせた。
しかし、その月の調査中にも黒いモノリスが発掘される。
まるで、月まで来れた地球人を待っていたように……。
……さらに時代は進む。
人類は今や太陽系にまで進出し、最新鋭宇宙船ディスカバリー号が木星に到達していた。
けれども、木星の衛星軌道上には、あの黒い石板モノリスが浮かんでいた。
宇宙にまで進出できるほどの科学力を得た人類だったが、宇宙には遙かに進化した知性体が存在していたのだ。
そのことを思い知らされた時、人類は再び原始人(ピテカントロプス)の位置にまで引き下げられるのだった。
まるで、おごれる平家(人類)は、久しからず、みたい。
映画とたまの詩のメッセージは、シンクロしていくのだ。
さて、映画には続きがある。
1984年に制作された続編『2010年』(ピーターハイアムズ監督)がそれである。
前作の『2001年宇宙の旅』で消息を絶ったディスカバリー号の謎を追って、ロシアのレオーノフ号が木星を調査するシーンで始まる。
かつての宇宙船ディスカバリー号の人工知能HAL9000が突然叛乱した原因は何だったのか? デヴィット・ボーマン船長の亡霊は何の為に地球に向かうのか? 謎が謎を呼び、やがて……。人々は組み込まれていた、ある“宇宙的な計画”に気づいていく。
木星の消滅? 新たなるエネルギーが地球に照射された……。
そして……。
「何か素晴らしいことが起きるような気がする……」
映画は、そこで終わっている。
……『2010年』から26年が過ぎた。しかし、2001年になっても人類は月に住めなかった。火星探検も実現していない。
ガンダムや宇宙戦艦ヤマトやアバターのように、人間が宇宙でも暴力を振るう映画は次々と制作されているけどね。
ああ、だから、人間は、宇宙に出て行けないのか……。
「何か素晴らしいことが起きるような気がする……」って、何も起きなかったじゃない。
だが、今なら2010年以降に「何が起きるのか?」はわかるような気がするのだ。
例えば、「霊化」によって、今まで“自我”に苦しめられてきた人間が、自分自身への執着が希薄になり、自分を手放せるようになっていくのかもしれない。
あるいは、人は他人の「痛み」により敏感になり、初めて争いから調和への道を真剣に摸索し始めるかもしれない。
いずれにしても、今までのように未来の見えない閉塞感からは解放されていくだろう。
過去のリメイク物の制作は、まだまだ残像として続いていくかもしれないけれど。
……しかし、同時に「新しいもの」を受け入れる人々も増えていくにちがいない。
予言してもいい。人は変わっていくよ。
外側ではなく、内側からね。それも眠っているあいだに。
変わらなければ、もう先が無いから。時間もないしね。
けれど、本人が選択しなければ何も起こらない。待っていてもネ。
そして、2010年から、いよいよ人類の冒険が始まるのだ! と、僕は思っているのだけれど……。
その時、果たして今の人類なのかしら……?
2009年12月31日(木)大晦日
今年もいろんな出来事があったよね。つい先日には空にもの凄い地震雲が富士山に向かって走っているのが目撃されたり、関東にマグニチュード12、震度8の大地震が来るとか、まことしやかな噂が流れたりしたみたい。
けれど、映画『2012年』のような破滅が起きなくなったのと同じく、大地震で都市が壊滅していく未来は無くなったように思う( 「私が地震を止めました」、「うちの教祖様が災害を防いだのだ!」とエセ宗教家やビジネス好きな精神世界の人はのたまうだろうけどネ。人間はなんとか予知できても、小さな地震一つ止められやしないくせに……)。
さて、風の噂ですが、今年2009年3月3日に始まった(5/5,7/7,9/9,11/11)人類の“霊的改造”もあと僅かで決算の時を迎えるとか。
……そして、最後の調整は2010年1月1日。町はきっと元旦気分に酔っていることでしょうね。けれど、一年をかけて陰陽の鋳型を地上に降ろしてきた経過から、来年は、それが陽として地上に出現していく年になるように思う。最初は、2月2日……。
そして、人間は「自分の為してきたこと」の結果を受け入れていく。好むと好まざるとに関わらずネ。
それが、本当の自立の年。
果たして2010年は? 旧人類は新しい人類に推移できるのだろうか……。
では、皆さん、良いお年と良い初夢を……。