お告げ – 109

無意識の悪意

あらー、久しぶりやおへん。元気どした? えっ、誰やて? ワテですがな、ワテ! 京都のオバハンどす。
あんな、最近は読まへんようなりましたけど、ワテ若い頃は、推理小説のファンやったんどす。
アガサ・クリスティはんやエラリーのクィーンはんなんかをそらもうウマカボーむさぼるように読みましたわ。和モノでは、ちょっとオドロ系の横溝正史や江戸川乱歩に夢中になったもんどす。
ワテなあ、チェスタートンはんの「木の葉を隠すには、森の中に。人間を隠すには、人間の中に」という言葉が、カッコエエなあ思て、気に入っとりました。

ところで、あんさん、推理小説の定義って知ってはりまっか?
「人間は、誰もが犯罪者の資質を備えている」なんやて。
コミックや小説や映画の世界では、怪しい見える者はほんまは怪しくなくて、いっちゃん怪しくない者が、真犯人やったりしてきましたやろ。
……そらもう、現実は、さらにビックリでっせ。

先日、知り合いの娘さんが、急に具合が悪うなりましてん。
原因不明の頭痛に吐き気、手足のしびれ。病院に行ったかて、ストレスと疲労のせいにされましたわ。
しゃーないから、ドラエモンはんに借りたメガネで視てみたら、その娘になんと嫉妬している会社の同僚が数人、「悪意」を向けてましてん。
そらもうその悪意は、物理的な影響力を持って、身体を蝕んでたんやね……。

以前にも、某会社の社長はんの足の指が突然腫れて、膿んで腐り始めた事がありましたわ。
その時もやったかなあ。会社でな、自分は不当な扱いを受けたと思い込んでいた女子社員の念が取り憑いてて、足の指に髪の毛のような思念の糸が絡みついとりましたわ。
ワテ、その糸をスルスルと解いて抜いたら、痛みも腫れもウソのように消えましてん。ほんまの話どっせ!
 
どうして、一見普通の人たちにそんな陰陽師みたいな呪術的力があるのかは不思議でっけど、人類の「霊化」の影響を考えるとまあ説明はつきますわな。
現代は、なんや2160年の周期で起きる陰陽のエネルギーの変換機に当たるんどすて。私たちの肉体というか、存在そのものが、固いものから、柔らかいものへと移行しつつあるらしい。その為、精神的な葛藤によるストレスが、肉体にストレートに影響を及ぼしやすくなっているとか。多くの人が病気になっていたり、ウツ病が増えているのも想念が肉体や心に物理的に作用しやすくなっているためらしいどす。

あーっ! むつかしい話したら、お尻痒ゆーなってきましたわ。

せやから、その逆も真なりで、願ったものが叶いやすい世界に変換しようとしてはるんやて。
それを社会、いや世界は敏感に察知していて、「魔法」や「超能力」というキーワードがやたらテレビや映画、マンガ、小説の世界で目立ちますやろ。

せやけどな、世界の本質が「愛」やのうて、「感情」で機能している為に、良いことよりは、悪いことの方がすぐに実現しやすいんやて……かなんわ、ほんま。

その一つが、普通の人(フツーの人なんかおりまへんけど)の「悪意」の物理現象やん。

昔なら、怪談まがいの生き霊が、現在では普通に現れるようになっておます。駅の自動改札が誰もいないはずなのに、反応して閉まったりするんは、誰かの生き霊がパスネットを忘れて通り過ぎたんやろねえ(笑えんなあ……)。

問題はやね、そういう思念を飛ばしてきた“送り主”が、自分ではまったくと言っていいほど気づいていないことですねん。本人にしたら、「悪意」などとんでもない、自分が人に嫉妬していたり、悪意を持っていることの自覚さえなかったりしますさかい。
それでも、悪意は、一瞬で何万キロも飛び越えて、今日は西に、明日は東にと飛んでいきます。荷物運べるんやったら、ええビジネスになんのに、残念どす。
 
けど、そういう悪意は、いったいどこから来ますんやろ?
きっと、“自我の闇”からやないやろか、とワテは疑うとるんです。

誰の中にもある「自我の無意識領域」、それが多くの人の集合無意識と影響し合うて、気がつかへんうちに「悪意」に育つんやないやろか? テレビでぎょーさんの情報を浴びて、自分は人よりも劣っているやとか、恵まれてへんやん、という“比較”の中で苦しむうちに、最初はほんの小さな不満やったモンが、雪だるまみたいに膨らんで“悪意”に成長していくんとちゃうかなあ……。

それが、何かのきっかけで、特定の人に向けられる。その時、悪意は指向性を持ち、物理現象を引き起こすまでに作用しますねん。おーコワ!

昔から、「噂をすればハゲ!」、いや影て、言いますやろ。
あれはやね、噂したから、その人が来はったんやのうて、なんや気配みたいなもん(まあ、生き霊かな?)を先に感じたら、後から本人が現れた、ちゅうことですねん。

まあ、わかりやすう言うたらやね、どっかハイキング行って滝の所でセルフタイマーで写真とか撮りますやろ。ほんで、プリントしてみたら、一人で写したはずやのに、なんやぎょーさん、にぎやかに人が写ってて、自分の顔とか肩とか手とか触ってた! そんな感じやろか。楽しいな。

 
……ワテなあ、56億年も待って待ち続けて、ため息つきはる弥勒様の気持ち、ちょっとわかりますねん。
あんな、この地上のどこかで今も戦争が続いてますやろ。戦争を仕掛けた人間は、たいてい安全な所に居って、させられてる、あるいはしたくもない人間が現場で戦わされてますわなあ。
けどな、ほんまにイヤイヤ戦争をしているんやったら、なんで時折目を背けたくなるほどの残虐な行為が人にはできますんやろ?
恐怖に駆られると、人間は残酷になると言うけれど、そこに宇宙人のジョージはんも言わはるように、人間の救われない本質を観るように思いますねん。

フランス文学者やった芹沢光治良はんの話に、戦争に若者を取られた村の話がありますやろ。
村の若者に赤紙が来て、戦争に行かんとあかんようになった。拒否する事なんて、当時の状況では誰も出来へん。けど、村から若者が居なくなったら、村は衰退していまう。困り果てた村長は、村の霊媒のお婆さんに相談に行ったんやて。すると、「敵に当たらんように、銃を撃ちなさい」とアドバイスされた。
村の若者たちは、全員そのようにしたらしい。そして、戦争が終わった時、その村の若者だけ全員無事に戻ってきたんやと。

それが本当の事かどうか、今ではわかりまへんけど、ええ話やないの。
イヤイヤ戦争をする、というんはこういう事なんやと思います。村を襲って、食料や婦女子を略奪する行為には、イヤイヤの気配はない。かつてワテの死んだ主人も十字軍に入ってエルサレムを目指してた時に、キリスト教徒の戦士の中には、何の罪もない村を略奪した者もおったって言いますからな。
どこに信仰があんねん! カスー!
 

みんな女性週刊誌のスキャンダル好きでっしゃろ! 幸せやった人が、不幸に落ちていく。そらみたことか! って。
フツーの人の中にある“悪意”。なんとかならへんねんやろか?
夜観る夢をコントロールせんとあかんように、無意識も管理してコントロールしていかんと、どもならんように思いますわ。悪意の生き霊が団体で動いてますよって。戦争もそうやって起きますさかい。
あと、天変地異もね。
……けど、無意識のコントロールて、どうやってやるんやろ? 
いっぺん、死なんとあかんのやろか? バカは死ななきゃなおらない、って昔の人言うてましたけど。

……まあ、自分をキライやろが、好きになられへんでも、そんな自分のまんま受け止めて愛してみたら、どないでっしゃろ?
ハイハイ、自分は暗黒ですさかい! 真っ黒ですねん! 言うて。
それでも、光を求める自分が、どっかに居るんやから。

ほいで、人の幸せ、本気で喜べるようになれたら、ええなあ。自分が幸せに成りたいように、みんなええ人生送りたいに決まってるんやから。

でも、間に合うと、ええけど……。はあーため息でるわ、ほんま。



2008年 10月26日 最近気に入ってるものに、『仮面ライダー牙』の登場人物の一人、ナゴ君が、仮面ライダーイクサに変身した時に言うセリフがあるのよ。
「その命、神に返しなさい!」 いっぺん言ってみたいけど、僕が言うと……。