お告げ – 128

……休む勇気

僕の住んでいる町の近くに「中央林間パンの店」というパン屋さんがある。手作りのお豆腐の食パンや天然酵母のパンを販売している。「安く、おいしく、安心に」が、お店のテーマで、神奈川県の「こだわりの名店」にも選ばれている。
ときおり、美味しいので買いに行くのだが、お店が休んでいたりする。まず日曜日と祝日が休みで、土曜日や月曜日もたまに休みだったりする。買いに行った日とタイミングが合わなくて、何度かシャッターの前で立ちつくした記憶もある。普通、そんなに肩すかしを食わされては、「もう行ってやんない!」とスネてしまうが、いかんせん美味しいだけについ前科を忘れて買いに行ったりする。……で、そういう時に休みだったりするんだなあ、これが。
また聞きのまた聞きなんだけど、そのパン屋さんの“休み”は、「家族と一緒に過ごす時間を大切にしたいから」なんだそうだ。日曜日が休みなのも、きっと子どもの運動会とかがあるからなのかもしれない。

外国の事情は知らないけど、日本の食べ物産業の現状は厳しい。
ホテルやレストランの調理場で働いていた友人がいる。食べ物産業は体力勝負の重労働だ。まず、拘束時間が長い。フツーの会社のように8時-5時などあり得ない。朝早くから仕込みをして、夜すべての後かたづけを終えると深夜だったりする。それがほぼ毎日で家に帰ったら倒れるように寝るだけだという。
雇われならまだしも自分が経営するレストランだとついつい無理をしてしまう。気がついたら、一ヶ月に休んだのは、たった一日。睡眠時間は平均4時間とか。当然、人間だから身体に無理が来る。栄養を考え、健康に良いものを提供するレストランの人間が身体を壊していてはシャレにならない。けれど、それが、日本の食べ物業界の現状なのだという。
長く辛い修行をして、ようやく自分の店が持てたと思ったら、今度は、その店の経営を維持するために必死になり、利益率を上げる為に食材の価格を抑えたり、人件費を減らして、その分自分が負担を背負い込む。いつの間にか、料理に対する熱い想いとお店を経営していくという事業家の板挟みになってしまう……。つくづく大変な仕事だと思う。
ある人は、「好きだから出来るんです」と言うけれど、“好き”でも、身体は元気ではいてくれない。挙げ句、健康上の理由で閉店してしまう人もいるのだから。

そういう意味で、パンの店は特異なのだと思う。
けれど、“忙しい”、“休めないのが当たり前”の「フィールド」から抜け出たお店なのだ。人を元気に、健康にさせる仕事で、自分が身体を壊していく、その矛盾に誰もが気づきながら、ビジネスに流されてしまう。
大きな会社の規模では出来ないと思う。しかし、大きな会社である必要はあるのか?
事業は発展していくモノと誰もが考えるけど……。
かつて、スイス人のイボン・シュイナードさんが創設したアウトドアのお店パタゴニアは、「ビジネスを拡大しない」という信念で始められたという。店舗が増えると、当然売り上げは増える。しかし、その為に雇う人件費の維持で、また、さらに店舗を増やさなければならない。そうして、「止まる」事ができなくなっていく。
気がつくと、「初心」を忘れてしまう。そんな経営者のなんと多いことか……。「もっと大きく、もっと儲けて……」と“もっとの欲”が、自分では“情熱”だったり、“意欲”だと勘違いしていく。本当は、ただの“欲”であることに気づいているのに、見て視ないふりをしながら。
昔、「日本を休もう」という広告キャンペーンがあった。車でのんびり旅行に行こうという車会社のCMだったか、はてさて、旅行会社のキャンペーンだったかは忘れてしまったが、その提案をした会社は、「もっと……」の延長上で打ったキャンペーンだったにちがいない。

人を休ませて、自分はもっと働く……。
それは、「明日、幸せになろう」という悲願と似ている。
しかし、明日になったら、また、明日……、その繰り返しがずっと続いていく。
「今日は昨日の結果、そして、明日の原因」
今日が昨日と同じなら、明日は変わらない。
明日ではなく、今日幸せにならなくっちゃ……。

雨の日に傘をさしてパンを買いに行った日にお店が閉まっていると本当にガッカリしてしまうけれど、その日、そのパン屋さんが家族と楽しい一時を過ごしているのかと思うと、まあ、しゃーないかなと思う。
日本に、そんな会社やお店がもっと増えたら……、まあ、しゃーないか(笑)。
 


2009年10月31日(土)
……今日、これから大分のフライトがあるんだ。明日、大分で「お話し会」があるからね。
たくさん、聞きに来てくれるといいなあ。

新型インフルエンザの拡大はすさまじい。
学校閉鎖や学級閉鎖が、先週、8000校だったのが、今週には12000を越えたらしい。
なのに、あまりマスクをしている人に会わない……。これってどういうこと?
新型インフルエンザの正体は、人々の無意識「終わりにしたい、リセットして、もう一回やりなおしたい」という願望が生み出したモノ、というまことしやかな噂を聞いた。それが、本当かどうかは知らないけれど、今度のインフルエンザを視ていて、ある疑念が湧いた。
空気感染や飛沫感染ではなく、「振動」で伝わっていくのではないか……。
だから、今年の3月3日に、海外に出たこともない神戸の学生が感染したのではないか? 
だとしたら、テレビの報道を見ていても感染するかも知れない。なにしろ、集合無意識は、自分の中にもあるのだから。
ならば、どうする? 振動なら、自分で周波数を上げるしかない。感染しにくくするか、感染しても発病しないように、あるいは、高熱を出してウィルスを焼いて、本人はケロッとしているか……。
周波数を上げる、振動数を変える、簡単に言うけれど、それが、できるのは、僕の知っている限りではボディライトニングしかないかなあ……ブツブツ。