今週のお言葉 – 24

世界を変えたかったら、自分自身を変えなさい
あるとき、雑誌から飛び込んできた言葉
あなたは、今の世界が好きですか?
地球のどこかで戦争があり、そこでたくさんの尊い命が奪われ、子どもや親を亡くして悲しむ人のいる世界。
動物や鳥や森の木が人間の生活の犠牲になったり、病気で苦しむ人や経済的に困っている人たちがたくさんいる世界……。
もし、自分にスーパーマンのような力があったり、社会そのものを変えてしまえる魔法の力があったなら……。
あなたなら、世界をどんなふうに変えたいですか?
純粋で無垢な正しい心を持った子どもが、もしも、大統領のような大きな権力を持ったなら、その子は、いったいどんなことを望むのだろう? と、ふと思ったとき、『こどもの大統領ミックモック』のお話が流れてきた。
しかし、ミックモックは、私の期待以上に、“世界が幸せになれる、一つの方法”を想いついて、それを実行に移してくれた。
まさか、戦争を無くす、あんな簡単な方法があるなんて、思いもよらなかった。
彼は、まだまだ世の中には、いっぱい不自然なものがあることに気づいている。私は、今後の彼の活躍にとても期待している……。
あるとき、私は、喫茶店に置いてあった『サライ』という雑誌の中に、とても刺激的な言葉を見つけた。
「世界を変えたかったら、自分自身を変えなさい」
「難民を助ける会-AAR JAPAN http://www.aarjapan.gr.jp/info/info01.htm」の創立者、相馬雪香さんの言葉だった。
それは、ウツウツと、世の中を嘆いていた自分の心に、強いインパクトを与えてくれた。
同じ意味の言葉は、以前にも知っていた。
アントニー・デ・メロ神父の「私の心の態度の他に変わったものは何もなかった。だからこそ、すべてが変わったのだ」。
けれども、「世界を変えたかったら……」という、強い言葉はとても魅力的だった。
私は、その言葉をメモって、家に帰った。
数日後、もう一度、正確にその言葉やその背景を書き留めようと、再び同じ喫茶店に入った。そして、同じ『サライ』のページを開いてみた。
……がく然とした。どこにもその言葉がないのだ。
確かに、同じ雑誌である。特集として、相馬雪香さんの「難民を助ける会」を創るに至った人生がインタビュー形式で書かれている。
(サライ 2002 8月1日 15号)
けれども、あの、胸を打った言葉は、いくら探しても見つからなかった。
近い言葉はあった。
「一人1円寄付すれば、1億2千万円。 まず、あなたが変わってごらんなさい」
しかし、「世界を変えたかったら、自分自身を変えなさい」という言葉とは、違っている。
たしか最初に見たとき、あの言葉は“見出し”の太文字で目に飛び込んで来たと思ったのだが……。
私は、慎重に、何度もその記事の全文を読み返した。
だが、やはり、同じだった。
では、あの“言葉”は、いったい何だったのか!
なかなか幸福にならない世界を嘆くあまり、自分自身ではなく、「世界を変えたい!」と、思わず念じてしまった、“道”を忘れた私への「助言」だったのか?
私の「幻視?」した、その言葉は、今もときおり、脳裏を横切る。
アメリカがイラクに侵攻した時も、その言葉は、私に「祈る」ことを思い出させてくれた。
一人一人の心の中に、「自分を変えよう」という思いがわきあがったとき、世界は本当に“変わる”のかもしれない