今週のお言葉 – 70

人は、人とのふれ合いの中で心を磨き、
「孤独」の中で魂を磨いていく!

ねえ、そこで泣いているのは、誰?
どうしたの? 誰かにいじめられたの?
それとも、誰にもわかってもらえなくて、そのことが苦しくて泣いているの?
……そうか……。
自分のことがよくわからなくて、それで泣いていたんだね。


人は、独りで生まれて、独りで死んでいく。
そのことは、この地球の中で人類の歴史が始まった頃より変わらない。

けれど、人は決して独りでは生きてはいけない。

だから、いろんな人とふれ合い、喜び、笑い、そして……、時に傷ついていく。
自分の好きな人とだけ出逢って、付き合っていけたら、どんなにラクだろうと思うかもしれないが、どうも世の中はそういうふうにはできていない。

どんな人にも、偏見が隠れている。
自分の事を中心に考えてしまう癖を持っている。

美しく生きたいと願いながら、それが叶わぬ自分の身を嘆いている。
ああ、今日もまた、嘘をついてしまった。人を裏切ってしまった、と。


人の期待に応えたい、自分がいる。
自分の期待に応えたい、自分もいる。

いったいどの自分が一番ラクなのか、それすらもわからなくなっていく。

だが、人は、他人(ヒト)とふれ合って生きていくことで、心を磨き、強くなるように、生まれついているのではないか?
自分独りでは、独りよがりなままに生きてしまい、本当の幸福も味わえないから。
 

そして、人には、時に、誰ともふれ合わずに、独りだけでしか果たせない「進化」もある。
それが、孤独の内に育まれる、魂の進化である。

孤独とは、人から離れて独りになることではない。
また、人恋しい淋しさとも違う。
周りに誰がいても、たとえ、どれほど心を許せる相手が傍にいても、なお、絶対的な「自分は独りなんだ」と感じる心の中に存在する。

その孤独こそが、人を次の段階の高みへと進化させ、磨いていくのだ。

なぜか?
人は孤独の時に、初めて、己の内側と向き合わざるを得なくなるからだ。
そのとき、人は、無意識のうちに宇宙と、神さまと、自分の関係に触れているのだ。
絶対的な「安心」を求めて……。

人と関わり、傷ついてぶつかり合いながら生きるのが、激しい流れに身を委せた荒削りの石が次第に角が取れて丸くなっていく、「外側の磨き」だとしたら、孤独の内に育まれるものは、内部から光を湧き出させる、「内側の磨き」である。

人よ、この世をうまく生きられなくて嘆いている人よ、孤独があなたの味方であり、出逢っていく人たちが、あなたの支えとなる。